全国指名手配犯
警察庁指定重要指名手配犯

渋谷暴動事件指名手配犯
大坂 正明(おおさか まさあき)
生年月日:1956年5月30日
出身地:北海道
身長:178センチメートルくらい
体格:やせ型
頭髪:ややウェーブ
特徴:面長、色白、やや猫背、右目下1~2針縫った跡、
左目上に小豆大傷跡、近視
共犯者の精神疾患による公判停止で時効は停止中
1971年11月14日、沖縄返還協定の批准阻止を掲げる中核派の学生ら約400人がゲリラ活動を展開し、渋谷で警戒中の機動隊や渋谷駅前派出所を火炎びん等で襲撃した。大坂正明の火炎びん投擲により、この日治安警備に 当たった関東管区機動隊新潟中央小隊員(新潟中央警察署)の中村恒雄巡査(当時21歳)が死亡、ほか3人が重傷を負った。
警察はこの事件のデモ隊を指揮した中核派幹部ら7人が犯人と特定し、その内6人が逮捕・起訴された。1987年7月に星野文昭に無期懲役(再審請求中)、荒川碩哉に懲役13年が確定した。荒川については2000年7月に満期出所している。
大坂正明は殺人罪、放火、傷害罪、凶器準備集合罪、公務執行妨害容疑で警察庁指定重要指名手配被疑者として全国指名手配されている。1971年の事件の国内逃亡犯に対して公訴時効(当時15年)が成立せずに指名手配されているのは、共犯の奥深山幸男が一審懲役15年で控訴中の1981年に精神疾患のために公判停止になっており、共犯者の公判中を理由に刑事訴訟法254条2項の規定で公訴時効が停止していたためである。
しかし2010年になり奥深山について、東京高裁が依頼した2人の鑑定医がいずれも「訴訟能力あり」との鑑定結果を出していたことが分かった。高裁は今後、必要に応じ鑑定医の尋問などを踏まえて審理再開の可否を最終判断する見通し。約30年ぶりに審理が再開される可能性が出てきた。関係者によると、東京高裁は2002年以降、奥深山の審理再開に向け、2人の医師に精神鑑定を依頼。1人は08年に「病状は安定し、訴訟能力がある」とした鑑定書を提出。別の医師も2010年1月、同様の鑑定結果を出した。
奥深山は72年に逮捕され東京地裁が79年、懲役15年を言い渡した。長期の拘置で精神疾患が悪化したため控訴中の81年に公判停止が決まり、群馬県内の病院に入院した。02年に検察側が公判停止決定の取り消しを申し立て、審理再開に向けた手続きが始まった。
2017年5月18日、広島県の広島市安佐南区の中核派アジトを捜索した際に公務執行妨害(水溶性の書類を浴槽で溶かそうとして捜査員に体当たりした)で現行犯逮捕された男が6月7日、親族とのDNA型照合で大坂本人と特定され、殺人罪などで再逮捕された。
捜査員が中核派アジトに踏み込んだ際、大坂は呆然と立ち尽くしていたという。また、アジトからは、警視総監や警察庁長官経験者、警察庁の局長や課長ら100人程度の私用携帯電話番号や自宅固定電話番号が記載された一覧表、盗聴器などが見つかった。中核派は組織ぐるみで大坂の逃走を手助けしていたとみられている。