全国指名手配犯
警察庁指定重要指名手配犯
群馬町三ツ寺における一家三人殺人事件
指名手配犯
小暮 洋史（こぐれ ひろし）
生年月日：1969年7月31日
出身地：群馬県
身長：170センチメートルくらい
体格：やせ型
特徴：面長、手の臭いをかぐ、爪をかむ
当時の使用車両：
群馬33 も 8670 ニッサンシルビア黒色
被害者の長女にストーカー行為。自殺説もあるが遺体も逃走車も見つからず
1998年1月14日の夜、高崎市群馬町（旧群馬町三ツ寺）で電気工事業を営む石井武夫さん(当時48歳)宅で、武夫さん、妻・千津子さん（当時48歳）、武夫さんの母・トメさん（当時85歳）の3人が殺害され、武夫さんの長女（当時26歳）にストーカー行為を働いていた運送会社の元従業員・小暮洋史（当時29歳）が全国に指名手配された。
小暮が商品の運搬のために高崎市内のドラッグストアを訪れた際、同店に勤務していた武夫さんの長女に一目惚れしたのがきっかけでストーカー行為を行うようになった。その後、勤務時間以外でも度々出入りするようになり、何度もしつこく食事やデートに誘ったものの、長女に断られ続けて逆上。長女が運転する車を尾行したり、家までつきまとったりしたほか、電話を執拗にかけてきたという。
事件の数日前、小暮は会社の掲示板に「辞めます」と書き残し失踪。突然石井さん宅を訪れて長女に会わせてほしいと求めるも、長女が外出中だったため家族が断った。すると小暮は勝手に家に上がり込み、鋭利な刃物で武夫さんの胸、千津子さんの背中を刺して殺害。そして最後に、抵抗することもできないトメさんの首を絞めて殺害した。
その数時間後、長女は勤務先から帰宅。自分の部屋に向かうため階段をのぼっていたところ、家に潜んでいた小暮に背後から襲われ、玄関の脇にあるトメさんの部屋である和室に引きずりこまれた。長女が抵抗したところ、小暮は「何もしないから静かにしろ」と言った後、突然長女の口をふさぎ首を絞めてきた。
危機を感じた長女が小暮の手をかんだため、小暮は長女から離れた。「逃げるんだったら、山に逃げるか、都会に逃げるか、どっちに逃げるか？」と長女に聞き、石井さん宅を出て車で逃走した。長女はその後警察に通報し、警察署で聴取を受けている最中に家族3人が亡くなったことを初めて知ったという。
当時の報道によると、小暮は大量の血を流して亡くなった武夫さん夫妻の遺体を、浴槽に運んで片付け、長女の帰りを待っていたという。逃走時に使用していた小暮の車は黒の日産シルビア、ナンバーは「群馬33も8670」。事件当日の14日から15日にかけては栃木県佐野市、茨城県水戸市で小暮容疑者の乗る車が目撃されており、そのおよそ1週間後の21日夜には群馬県太田市、埼玉県熊谷市で車両の目撃情報があった。
さらに事件からおよそ3週間後の2月4日には、現場近くの群馬県みどり市内の駐車場で車両の目撃があったが、それを最後に小暮の行方は分からなくなっている。
事件の直前、小暮は知人に「警察に見つからずに死ぬ方法がある」と話していたという証言や、小暮の銀行口座に動きがないなど生活のにおいが感じられないため、車ごと自殺を図った可能性もあるとして、県内外の湖沼約20ヶ所を捜索したが、小暮も車も発見には至っていない。
事件から25年が経過した2022年1月、県警本部と高崎署の警察官計26人が改札前や通路に立ち、小暮の顔や手配車両の情報などを掲載したチラシ、ティッシュを配った。改札付近では事件概要を説明する動画を上映。加齢を踏まえて推測した小暮容疑者の容貌や「手の臭いをかぐ」「爪をかむ」といった癖、手配車両の情報を記載したパネルも設置した。
翌2023年、長女は事件のことを広く知ってもらい、事件解決への糸口になればとインスタグラムによる発信を始めた。アカウント名は「未解決事件があるという事実を伝えたい」という思いから未解決を表す「cold_case_1.14」にしたという。
長女は事件後、ショックから息切れや不眠、事件の詳細が思い出せなくなるなど様々な症状に悩まされ続けてきたが、多くの人の記憶に残り続けるようにすることが1日も早い解決につながると信じ投稿を続けている。
この事件は警察庁指定の捜査特別報奨金制度の対象事件。解決に結び付く情報提供者には最高300万円の公的懸賞金（捜査特別報奨金）が支払われる。
＜群馬県警ホームページ＞群馬町三ツ寺（現高崎市）における一家3人殺人事件
