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松阪市男性ひき逃げ死体遺棄事件(2012年3月)

2012年(平成24年)3月11日、国道368号から約5メートル入った三重県松阪市飯南町上仁柿の山林で、男性の遺体が見つかった。警察の調べで、遺体は神戸市垂水区向陽3丁目の鉄筋工、一瀬敦(いちのせあつし)さん(当時32歳)と判明した。

司法解剖の結果、死因は外傷性脳障害で、死後3~4カ月がたっていた。頭蓋骨を骨折していたほか、靴が見つかっていないなどの状況から、三重県警は死体遺棄事件と断定した。

一瀬さんは発見時、うつ伏せの状態だった。背中や腰などには複数の打撲痕があったが、山林で転んでできる程度の打撲痕ではなく、裸足で山道を歩くことも考えにくいため、何者かが一瀬さんを車ではね、そのまま遺棄したとの見方を強めている。

現場付近を走っている国道368は、車1台がやっと通れるくらいの幅で、平日はほとんど車が通らないという。夜間はさらに交通量が少なくなるが、週末は一転してバイクが頻繁に通る道だという。

一瀬さんは前年の2011年10月から松阪市内の寮に住み込み、津市内で働いていた。11月20日午後6時ごろ、帰省先の神戸市垂水区にある実家をあとにした後行方が分からなくなった。一瀬さんはこの日勤務先に連絡を入れ、松阪市内の寮に戻ると伝えていたが戻らなかったため、会社が家族に連絡、その後家族が兵庫県警垂水署に捜索願を提出した。

家族は携帯電話のGPS機能を使った捜索を要望。しかし兵庫県警は、家族から6回も捜査の依頼があったものの、「緊急性が見当たらない」として、事件としての特別な捜査を始める手続きを行っていなかったという。

松阪市の近鉄伊勢中川駅の近くで一瀬さんの携帯電話、ドライヤー、漫画の本などが見つかっていることから、一瀬さんは駅から国道23号の方向に向かって徒歩で寮に帰るまでの間にひき逃げにあい、その後山林に遺棄されたと見られている。

一瀬さん身長170センチの中肉。兄の証言から、当時黒色のダウンジャケットを着用していたとみて同種品を三重県警ホームページで公開している。一瀬さんはおとなしい人柄で、トラブルなどもなかったという。警察は近鉄伊勢中川駅でチラシを配布するなどして情報提供を呼びかけたが、事件翌年の2013年には情報提供が2件になり、新しい情報が得られないまま現在に至る。

<三重県警ホームページ>情報提供のお願い[pdfファイル]



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