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坪野鉱泉女性失踪事件(1996年5月)

1996年5月5日夜、富山県氷見市在住の会社員A子さんとスーパー店員のB子さん(いずれも当時19歳)が家族に「肝試しに行く」と告げて車で外出し、失踪する事件が発生した。2人は同日深夜、ポケットベルで「魚津市にいる」というメッセージを友人に送った後、連絡が途絶えた。

魚津市の山中には心霊スポットとして週刊誌でも取り上げられ、暴走族らのたまり場となっている廃墟と化した坪野鉱泉と呼ばれる元温泉旅館跡(1982年に倒産)があり、2人はそこに向かった可能性が強いと思われた。これまでの調べで、2人は行方不明となる5月5日以前にも一度、同旅館跡を訪れていたことが判明。行方不明当日も、再度同じ場所を目指して車を進めていた。

行方不明当日、B子さんは勤め先で懐中電灯用の電池を購入。直後、同スーパーのアルバイト店員に「今晩肝試しに行こう」と誘ったが、断られており、その後友人のA子さんに電話したものとみられている。また、女性の片方が所有し失踪当時運転していた乗用車が発見されなかったことから、県警ヘリと山岳捜索隊が崖下など車が転落しそうな地点を捜索したが、発見には至らなかった。当時の坪野鉱泉が暴走族のたまり場であったことから、事件に巻き込まれた可能性や、一部では北朝鮮による拉致説もささやかれたが、2人の行方は依然としてつかめなかった。

失踪から18年後の2014年12月下旬、「”当時、女性2人の乗った自動車が海へ転落したのを見た”と話している者がいる」という情報を富山県警が入手した。さらに5年後の2019年春に、その目撃者とされる男性3名を特定し、翌2020年1月に情報聴取を行って証言を得た。

男性3人は「1996年の大型連休の深夜に、射水市の「旧海王丸パーク」付近で、駐車中の女性2人に声をかけようとして近寄ったところ、2人が乗った車が後ろ向きに急発進して海に転落した」「怖くなってその場を立ち去った」「転落の責任を問われるのが怖くて通報はしなかった」などと証言した。車が転落する前、女性はドアを開けようとしていたという。

2020年3月4日、射水市八幡町にある伏木富山港の岸壁付近の海底に女性2人が乗っていたものとみられる軽乗用車が沈んでいるのが見つかり、車内から複数の人骨が発見された。同月11日には軽乗用車が引き上げられ、女性の一方が使っていた車だと特定された。

同年4月18日、発見された人骨について、富山県警は「損傷が激しく、頭蓋骨や骨盤は残っていなかったが、大腿骨の一部から検出されたDNAの鑑定結果や残された遺留品から、失踪した2人のものと特定された」と発表した。失踪から24年後の出来事であった。県警によると、「何らかの理由で車が海に転落したのはわかっているが、事件性を疑う状況は確認されていない」という。



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