未解決事件ファイル
横浜市女子短大生行方不明事件(1984年3月) |
1984年3月19日午後10時ごろ、横浜市瀬谷区に住む明治短期大学経済科2年の三宅夕香理さん(当時20歳)が東京・渋谷で友人と別れた後行方不明になった。夕香理さんは19日午後、卒業記念のヨーロッパツアーなどを楽しんだ友人3人と渋谷で会い、喫茶店などで旅行の写真の交換などをした後、午後10時ごろ友人に見送られて東急東横線の渋谷駅改札口を通ったところまで確認されたが、以後行方がわからなくなった。
家族や友人らの話によると、夕香理さんは素直でまじめな性格。特定の男友達はおらず、これまでに無断外泊をしたことは一度もなかった。同短大では、経済法ゼミの副長を務め、学校推薦で東京・新宿の住友生命への入社が決まり、4月2日からの出社を楽しみにしていたという。
同短大の卒業式は26日に行われたが、一生に一度の思い出にと、三宅さん方では夕香理さんのために袴を新調していた。しかし、全く音信がないことから、警察は夕香理さんが帰宅途中に何らかのトラブルに巻き込まれた疑いが強いとみている。
夕香理さんは普段、東急東横線で横浜駅に着いてから、相模鉄道に乗り換え、三ツ境駅で下車する。駅から自宅まで約1キロあるため、夜遅くなるときは自宅に電話して、兄(当時23歳)に車で迎えにきてもらっていた。19日夜は、兄が海外旅行中だったため、バスに乗るか徒歩で自宅に向かったと思われるが、自宅周辺はもちろん、渋谷駅からの足取りについては一切不明。同夜は、飛び石連休の谷間だったうえ、雪が降っていたため、電車、バスは深夜まで混雑していたが、これまでの捜査で目撃者は出ていない。
夕香理さんは身長約164センチ、体重約62キログラム。二重まぶたで、顎がやや出ている。髪型はセミロングヘア。失踪当時は緑色のジャケットにリボンつきのブラウス、茶色いスカート姿で、現金は3,500円程度持っていたと思われる。神奈川県警のホームページでは、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者として掲載されている。
<神奈川県警ホームページ>拉致の可能性を排除できない事案に係る方々