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岐阜県大垣市女性教師殺人事件(1975年10月)

1975年10月20日、岐阜県大垣市で中学校教諭・渡辺美代子さん(当時46歳)が、自宅寝室で殺されているのが発見された。渡辺さんには乱暴された形跡があり、首をテレビのコードで絞められたうえ、文化包丁で首や顔、額など数十カ所を刺されるという残忍な犯行だった。

犯人は家中の物をひっくり返し、渡辺さんの遺体にトマトジュースをぶちまけて、仏壇には下着を置いていくなど、異様な犯行だった。現場には指紋や足跡、犯人の白手袋など数多くの物証が残されており、血のついた足跡の横に点々と水滴が落ちていたことから、犯人は裾にファスナーのついたズボンを履いていたことが分かった。足跡からは履いていた運動靴も特定されている。

渡辺さんの首を絞めたテレビコードを噛み切った際についた歯型には、若者に見られる特徴があったという。犯人は血のついた手足などを風呂場で洗った形跡があった。使ったタオルはきちんとかけられており、侵入した風呂場の窓の網戸は元に戻されていた。

事件直後の11月2日、中日新聞岐阜総局に大垣市内の高校生と名乗る男性から1本の電話が入った。男性は渡辺さんが事件の前日に大垣市内の喫茶店である男と名義の問題で揉めていた事、その男は自分の3年先輩で証券会社に勤めている、などの内容を告げた後、翌3日朝に国鉄(現・JR)岐阜駅前で記者と会うことを約束して電話を切った。しかし約束の日に男性が現れることはなかった。

さらに事件発生から13年あまりたった1988年4月、再び中日新聞岐阜総局に男性から電話がかかってきた。電話の主は、渡辺さんを殺した犯人は1988年の3月に愛知県名古屋市中川区のマンションで臨月の主婦・守屋美津子さん(当時27歳)を惨殺し、遺体の腹を切り裂いて赤ちゃんを取り出し、腹部に電話器とミッキーマウスのキーホルダーを詰めるという、残酷な事件の犯人と同じだと主張した。(名古屋妊婦切り裂き殺人事件

この電話の主が1975年に電話を受けた記者と男性本人しか知らない待ち合わせの目印を口にしたことから、同一人物か関係者であると思われる。この男性は犯人が中川区に住んでいると告げ、酒を飲むと狂暴な性格になると証言したが、この時も姿を現すことはなく、男性の正体は不明であった。



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