未解決事件ファイル
茨城県笠間市主婦殺人事件(1990年1月) |
1990年1月10日午前7時30分頃、茨城県西茨城郡友部町(現・笠間市)橋爪に住む友部郵便局の職員・吹野光子さん(当時48歳)が自宅2階の寝室のベッドの上で、首を紐のようなもので絞められうつぶせのまま死んでいるのを夫の母(当時73歳)が発見した。
吹野さんはほとんど無抵抗のまま殺されていた。殺害現場は寝室と見られ、寝室には家族以外の男性と見られる毛髪があった。家の玄関などは鍵がかけられ、現場の室内にも荒らされたり争った形跡はなかった。 近所の人が発見前日の9日午後11時頃に不審な車の音を聞いているが、別室にいた長男と夫の母は不審な音などには気がつかなかった。
吹野さんは9日午後8時半頃に職場から帰宅。午後10時過ぎに家族と話をして自室に行ってからは誰も姿を見ていない。 吹野さんは夫と夫の母、高校生の長男の4人暮らし。事件当時、夫は県外へ出張中だったため不在にしていた。吹野さん宅は新築直後で近所から引っ越したばかりだった。当時周辺は畑が多く、人家はまばらだった。
事件の3日後、水戸市内に住む光子さんの知り合いの女性(当時47歳)が、入院中の病院の窓から飛び下り自殺を図って重傷を負う騒ぎを起こしている。この女性は9日22時ごろまで同僚と飲食店におり、翌10日には職場へ仕事を休む連絡をしていた。この女性が残した遺書には、事件との関連を否定する内容が書かれていて、退院後の事情聴取でも事件とのかかわりを否定している。
その後も警察は顔見知りによる犯行の可能性が大きいとみて吹野さんの交友関係を中心に事情聴取を重ねたが捜査は難航。容疑者の特定には至らず、2005年1月10日に時効が成立した。現在は現場付近に数軒の人家が見られるが、近所の住民は「今では事件について語る人もいない」と話しており、事件は地元でも風化している。