未解決事件ファイル
東久留米市タクシー運転手強盗殺人事件(2002年11月) |
2002年11月1日午前5時15分ごろ、東京都東久留米市下里7丁目の路上で、「止まっているタクシーのそばで運転手が血を流して倒れている」と通行人から110番通報があった。運転手の男性は車から約3メートル離れたところで仰向けで倒れていた。胸などを刺されており、病院に運ばれたが約1時間後に死亡した。
殺害された男性は美松交通のタクシー運転手・斎藤武雄さん(当時75歳)。斎藤さんはナイフのような刃物で、胸を中心にして十数カ所を刺されていた。発見当時、タクシーの運転席と乗客が乗降する左後部のドアは開けっ放しになっていた。タクシー車内で争った形跡はなく、車内や車体には血痕が見当たらなかった。
乗車記録から、斎藤さんは午前3時40分ごろ最後の乗客を新宿区四谷で降ろした後、四谷か霞ヶ関周辺から犯人を乗せていたことが分かっている。午前4時ごろ首都高速都心環状線霞ヶ関を走行。午前4時20分ごろ青梅街道を走行し、事件直前の午前5時ごろ、殺害現場の下里団地で停止している。
タクシーの車内には、首都高の霞ヶ関入り口から乗ったことを示す700円の領収書と、16,030円の領収書が残されていた。料金メーターは「空車」を示していた。タクシーの防犯灯は点滅していなかったことから、斎藤さんは現場に到着した直後に襲われ、何らかの理由でタクシーから出たところを刺されたとみられる。
車内に売上金は残っていなかった。運転日報から売上は2万~3万円あったとみられる。しかし、釣り銭用の小銭が硬貨で約7,000円分残されており、斎藤さんの財布にある47,000円も奪われていなかった。当時斎藤さんが乗っていたタクシーは黄色のクラウン。側面には「MIMATSU KOTSU TAX」の表記がある。
発見当時現場はまだ真っ暗で土地勘がなければ現場付近の裏道の存在は気づきにくいことから、警察は裏道を知っている犯人が斎藤さんに進入するように指示した可能性があるとみている。
<警視庁ホームページ>下里団地横路上タクシー運転手強盗殺人事件