未解決事件ファイル
ロシア人向け両替商射殺事件(2005年6月) |
2005年6月14日夜、北海道稚内市の空き地に停めてある乗用車内から男性の射殺遺体が発見された。男性は札幌市西区山の手3の11の職業不詳・石井正人さん(当時38歳)と分かった。車のナンバーや車内に残されていたメモから、石井さんと特定した。
石井さんは後頭部を銃で撃たれていた。死因は銃撃を受けたことによる脳機能障害。石井さんはロシア人相手に通貨を両替する仕事をしていたことから、取引をめぐるトラブルが事件に発展した可能性があるとみて調べている。
石井さんの遺体が発見された乗用車は小樽市内の中古車販売業者の名義となっているが、この販売業者は2004年10月、同市内の両替商に売却している。石井さんはこの両替商と共に働いており、現金を持参して稚内港に出向き、ロシア人のカニ業者などを相手に円やルーブルをドルなどに替えていたという。
事件当時石井さんが持っていた黒いバッグにはドルと円で総額数百万円の現金が入っていたが、車内から見つかっておらず犯人に盗まれた可能性が高い。現場付近に防犯カメラには石井さんのものと思われるバッグを持った、2人組の男が写っていた。
付近の住民によると、石井さんは普段水産関係の仕事をしており、毎週月曜日から金曜日まで稚内に出かけ、土曜日に札幌市の自宅に帰ってきていた。マイカーは自宅にあったという。石井さんは事件当日の14日午後4時半ごろ、1人で市内のマージャン店に来店。日本人3人とマージャンをしていたが、5時前に携帯電話に入った連絡にロシア語で応じ、そのまま外出したことが分かっている。
事件現場は稚内港天北埠頭から約700メートル。警察は稚内港に停泊中の外国船に出港停止を要請し、稚内海上保安部と合同でロシア船を中心に取り調べを行ったが、犯人逮捕につながる有力な手掛かりを得ることはできていない。