未解決事件ファイル
神戸市須磨区女性強盗殺人事件(2003年2月) |
2003年2月21日午後10時40分ごろ、兵庫県神戸市須磨区横尾の市営地下鉄・妙法寺駅近くにある歩行者専用道路で、仕事を終えて自宅に帰る途中だったパート従業員の寺田和子さん(当時44歳)が何者かに刃物で刺され死亡した。
寺田さんは左太ももの内側を鋭利な刃物で一突きされていた。死因は失血死。寺田さんは同駅で下車した後、自宅へ向かってこの道路を歩いていた。左手でかばんを持ち、右手で携帯電話を操作しながら歩いていた。強盗犯にかばんを奪われそうになり、抵抗した際に刺されたとみられる。手などに争ったような傷はなかった。寺田さんは持病があり、体に配慮して普段からゆっくり歩いていたという。
歩行者専用道路は駅の南側にあり、東側に公園、西側にはコンクリート側壁がある。階段に挟まれているため、車は進入することができない。歩行者専用道路の高さ約3メートルのコンクリート側壁には血痕が残っており、真っ二つに折れた携帯電話も落ちていた。通報を恐れた犯人が壊したものとみられる。近くの山林では現金などが抜き取られた寺田さんのかばんが見つかっている。
寺田さんの1本前の電車を降りた男性が、現場付近で不審な行動をする若い男2人組を目撃しているが、特定に至っていない。また、情報提供を呼びかけるため寺田さんの遺族が自費で1万枚のチラシを作って配布した際、「現場で『申し訳ない』と何度も謝っている人を見た」という情報が浮上した。捜査本部が事件直後から把握していた情報だったが、結局、誰のことなのか分からなかったという。
事件が発生した時間帯、駅周辺は地下鉄が到着するたび下車して家路を急ぐ住民らが断続的に通るものの、その合間は人が途切れる。寺田さんは下車してから、次第に人波から離れていったとみられる。事件の発生時間が深夜だったこともあり目撃情報が少なく、現在も犯人検挙には至っていない。