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未解決事件ファイル

北九州市ラブホテル従業員殺人事件(1999年3月)

1999年3月10日午後4時40分ごろ、福岡県北九州市戸畑区牧山のラブホテルの男性利用客から「部屋の前で人が刺され倒れている」と110番通報があった。警察官が駆けつけたところ、ホテル2階の東側の廊下と客室で、女性2名がそれぞれ刃物で刺され死亡していた。

2人は同ホテルの従業員・内野みゆきさん(当時46歳)と、長岡寿美香さん(当時50歳)。内野さんは客室外の通路で、長岡さんは客室内の浴槽のタイルの上でそれぞれ倒れており、既に死亡していた。2人は全身を複数カ所刺されており、長岡さんの顔には殴打された跡があった。また長岡さんはズボンをたくし上げており、風呂場を清掃中だったと思われる。

現場に刃物等の凶器は残っておらず、ホテルの事務室や客室に荒らされた形跡はなかった。事件当時、ホテルには3組の客がいた。午後2時半ごろ客が悲鳴を聞いており、この時間が犯行時刻と思われる。また同じ頃に30代半ばくらいと思われる男性の目撃情報があるが、この男性の身元の特定には至らず、事件との関連性も不明である。

事件当日、内野さんと長岡さんは午後1時からの24時間勤務で、正午すぎにホテルに出勤している。長岡さんは部屋掃除係、内野さんはフロント担当だった。事件当時の従業員は内野さんと長岡さんの2人だけだったという。

ホテルの特性上、利用者は駐車場からフロントを通らずに出入り可能だったため、目撃情報や物証などがほとんどなく、発生当初から捜査は難航した。ホテルは狭い坂道を上った住宅街の一角にあることから、犯人は土地勘があり、ホテルの構造や従業員の勤務状況を知った人物と思われる。犯人は長岡さんが入室した後部屋に侵入して殺害し、その後、駆けつけた内野さんを襲ったとみている。

現場はJR戸畑駅から南西約1㎞の場所。



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