狭山市暴力団組員殺人事件（2023年1月）

2023年1月6日午後7時15分ごろ、埼玉県狭山市広瀬台1丁目のマンションの住民から、「夫が拳銃で撃たれた」と119番通報があった。付近の住民からも「発砲音がした」といった110番通報が複数あった。

地元の消防が現場に駆けつけると、男性が自宅マンションの駐車場に倒れていた。胸などから出血しており、搬送時点で意識がはっきりしない状態だった。

男性は病院に搬送されたが、同日未明に死亡した。亡くなったのは同市広瀬台の鈴木頼一さん（当時55歳）。上半身には拳銃で撃たれた傷があった。鈴木さんは指定暴力団絆会の幹部組員（2代目川田組・組長）とみられる。発砲は複数回あったとみられ、県警は殺人などの容疑で捜査を開始した。

現場で拳銃は見つかっておらず、襲撃した人物が所持したまま逃走した可能性があるとみて、目撃情報や周辺の防犯カメラ映像を確認し、行方を追っている。周辺住人に怪我はなかった。

現場は圏央道狭山日高インターチェンジから東に約1キロの住宅街。近くに武蔵野学院大学があるほか、500メートルほど離れた場所には小中学校や高校もある。

2019年1月17日には、神奈川県川崎市川崎区大島の路上で、指定暴力団・稲川会系組長ら男女3人に拳銃を複数回発射して殺害しようとし、組長以外の男女2人の首や胸に重傷を負わせた事件が発生。鈴木さんはこの事件の実行犯として2021年3月に逮捕されたが、鈴木さんを含む計5名の逮捕者全員が証拠不十分により釈放されている。

警察では暴力団による報復の可能性もあるとみて捜査を進めているが、現在も犯人の逮捕には至っていない。

お問い合わせ