未解決事件ファイル
九州大学跡地バラバラ殺人事件(2022年4月) |
2002年4月7日午前11時25分ごろ、福岡県福岡市東区箱崎6丁目の九州大学箱崎キャンパス跡地から、「人の足のようなものが出てきた」と解体作業中の関係者から110番通報があった。警察が現場に駆け付けたところ、腰から両太ももまでの人骨が見つかり、福岡県警は死体損壊などの疑いがあるとみて捜査を始めた。両太もも部分には人為的に切断されたとみられる痕があった。骨は複数の解体現場で出たがれきを集積する場所で見つかった。骨の一部には腐敗した肉片が付着していたという。
司法解剖の結果、遺体は20~40代の男性と判明。2001年9月~2022年2月ごろ死亡し、遺棄されたとみられる。遺体には鋭利な刃物で切断された痕があるが、死因は不明。血液型はBあるいはAB型。右足は骨盤の付近から、左足はひざの上から切断されていた。科学捜査や現場に残された下着などから、被害者は中国系の可能性があるとみて調べている。
遺体が見つかった周辺を中心にドローンによる上空からの確認、重機でがれきを除去するなど現場検証を進めているが、遺体の他の部位や身元の特定につながる遺留品は見つかっていない。跡地の面積はペイペイドームの5倍に相当する約40ヘクタールにも及ぶため、跡地全体の捜索は現実的ではないと判断し、捜索は3日間で中断している。
現場は福岡市地下鉄「箱崎九大前駅」の北東に広がる九州大箱崎キャンパスの跡地。九州大学広報室によると、キャンパスの移転に伴う解体工事は2014年度に始まり、建物の撤去が完了した後も地中にある杭を抜くなどの作業をしていた。現場は関係者以外の立ち入りが禁止されていた。。骨が見つかった場所には、理学部の建物があったという。
福岡県警はこれまでに工事関係者や所在不明者の関係者など県内外の約4千人に事情を聞いたが、身元の特定にはつながっていない。行方不明者らのDNA型とも照合したが、一致したものはなかったという。所在が分からなくなっても気付かれにくいホームレスや外国人の可能性もあるとみて調べを進めており、引き続き情報提供を求めている。