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北九州簡易宿泊所放火殺人事件(2017年5月)

2017年5月7日午後11時20分ごろ、福岡県北九州市小倉北区の木造2階建て共同住宅「中村荘」で火災が発生し、延べ約300平方メートルが全焼した。この火災により50~80代の男性6人が逃げ遅れて焼死、5人が負傷した。火災は隣接する戸建て住宅にも延焼し、5棟が被害を受けた。

県警は約3カ月かけて死亡した全員の身元を特定した。亡くなったのは、木下哲男さん(当時55歳)、岩崎優さん(当時60歳)、三田信貴さん(当時65歳)、三浦康治さん(当時73歳)、河野正裕さん(当時77歳)、中本繁さん(当時84歳)の6人。いずれも中村荘に入居していた。

北九州市消防局の調査によると、倉庫やトイレなどがあった北側1階の焼け方が特に激しく、この付近が火元と見られるものの、電気の配線などから火が出た形跡はなかった。出火原因については建物の損壊が激しく当初特定できないとしていたが、現場の状況から放火と断定した。生存者の証言によると、出火元とみられる廊下には、入居者用の布団などが置かれていたという。

警察が現場近くの防犯カメラの映像を調べたところ、火が出たと見られる午後11時20分ごろに、現場近くを行き来する不審な人物の姿が映っていた。この人物は、火が出る直前にアパートの方向に歩き、火が出たあと、来た道を戻って歩いていたという。 また、同じ時間帯に、現場のアパートの方向に向かう人物を見たという住民の目撃情報もあることから、警察は何者かがアパートの中に侵入して放火した疑いがあると見て捜査している。

火元となった共同住宅「中村荘」は、中廊下型の2階建て木造共同住宅。部屋数は16あり、全て単身の高齢男性が住んでいた。家賃が安く日払いや週払いをすることも可能だったため、一般的なアパートの家賃を払えない生活保護受給者などの低所得者が住んでいたとみられる。共同住宅の入居に通常必要とされる保証人が要らず、入居契約も「宿帳」程度の簡単なものだった。事実上の「簡易宿泊所」として運用されていたとみられる。

その後の市消防局の調査により、共同住宅の各部屋に設置されていた火災警報器は、連動して作動するタイプではなかったことも明らかになった。また、市火災予防条例に基づく「防火対象物使用開始届」を共同住宅側がこれまで提出していなかったため、防火設備の点検や指導ができていなかったことも判明した。

市消防局によると、条例では集合住宅に届け出義務を課しているが、罰則はない。届け出があれば、消防が定期的に査察に入り、機器が正常に作動しているかなどをチェックするという。



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