未解決事件ファイル
宮城県亘理町女子高生殺人事件(1992年1月) |
1992年1月27日午後10時前、宮城県亘理郡亘理町長瀞小橋に住む県立名取高校定時制普通科1年の白澤亜紀子さん(当時18歳)が行方不明になった。
白澤さんは27日午後9時20分過ぎに下校。クラスメートと2人で通学路途中のJR常磐線岩沼駅の待合室でしばらく雑談した後1人で上りホームに行き、列車を待っていたのを最後に消息がわからなくなった。
28日未明に白澤さんの家族から警察に捜索願が出された。白澤さんは自宅から最寄りの亘理駅まで自転車で通っており、この自転車が28日に亘理駅からおよそ南に20キロのところにある丸森町の小獅峠で発見された。しかし白澤さんの遺留品などは見つからなかった。
白澤さんは普段、昼間は岩沼市内のスーパーで働いており、その後学校へ通っていた。学校には1日も休まずに通っていたという。失踪当時の身長は157センチで、黒いジャンパーにジーンズ姿で茶色の靴を履き、茶色のショルダーバッグを持っていた。
白澤さんの行方が分からなくなってから1年3か月が経過した1993年4月27日、白澤さんの遺体が仙台市青葉区大倉白山の沢で発見された。山菜取りのため山に入ったグループが見つけた。遺体は既に白骨化していたが、近くの落ち葉などから血痕が採取されたほか、白澤さんの首に紐が巻き付けられていたため、警察は殺人・死体遺棄事件と断定した。
遺体が白骨化していたため、白澤さんの死因、凶器などは分かっていない。犯人は白澤さんが亘理駅から自転車で自宅まで戻る途中に自転車ごと連れ去ったとみられる。遺体が見つかった現場は亘理駅から北西に約40キロの場所で、白澤さんの自転車が見つかったのとは反対の方向にあたる。
白澤さんの首に巻き付いていた紐は、ジャージのズボンの両脇を補強するための特殊なものであることが分かっている。警察では犯人が普段着ていたものを外して使ったのか、こうした衣服をつくる工場に勤務していて、そこから入手したのかなどあらゆる可能性について捜査したが、犯人逮捕につながる情報は得られなかった。
県警はこれまでに延べ約12万5000人を動員して捜査を続けたが、当時の目撃情報が乏しく最後まで有力な手掛かりが得られなかった。2007年1月27日に時効成立。