青森県むつ市高齢女性殺人事件（2005年6月）

2005年6月16日午後3時20分ごろ、青森県むつ市川内町上小倉平に住む無職・坂井榮子さん(当時77歳)が、自宅1階の寝室の布団の上でうつぶせに倒れて死んでいるのを同居している坂井さんの弟(当時48歳)が発見した。

司法解剖の結果、坂井さんの死因は窒息死と判明。首を紐で縛られた跡があった。体の一部に擦過傷があり、室内からも血痕が見つかった。紐は室内にあった電気コードではないかと見られている。室内に物色したような跡はなく、現金や財布も残されていた。

坂井さんは子供の頃から聴力障害があったため、国民年金の障害基金の給付を受けていた。発見前日の15日午前中に障害年金16万円が振り込まれ、同日に公民館で水道料金を支払っている。昼ごろ、坂井さんが自宅玄関を入る姿を近所の人に目撃されており、これが生前目撃された最後の姿となった。

坂井さんは弟と2人暮らし。近所の人によると、おとなしく気持ちの優しい人で周囲の住人とのトラブルはなかったという。現場は周りを山に囲まれた静かな集落で、50世帯・200人ほどが住んでいる。小さな集落のため地縁が強いことから周辺住人の口が固いこともあり、捜査は困難を極めている。

警察はこれまでに延べ13万4000人余りの捜査員を投入。現場近くの同市川内町にあるスーパーマーケット「マエダストア川内店」で事件の発生日時などを載せたチラシやポケットティッシュを買い物客に配り、当日に不審な人物や車を見なかったかか、事件のあと行動に異変のある人がいないかなど情報提供を呼びかけ捜査を続けているが、犯人につながる手がかりはなく、現在も事件は未解決のままとなっている。

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