未解決事件ファイル
つがる市市議会議員殺人事件(2007年2月) |
2007年2月19日午後2時45分ごろ、青森県つがる市下牛潟町に住む、つがる市議で幼稚園理事長の笹田保さん(当時55歳)が自宅の2階にある寝室でベッドにもたれかかるようにして床に倒れ、頭から血を流して死んでいるのを勤務先の社員が発見した。この社員は笹田さんが役員を務める金融業者の社員で、お昼を過ぎても出社しない笹田さんを不審に思い自宅まで確認しに行ったところ、笹田さんが倒れていたという。
司法解剖の結果、笹田さんの死因は窒息死と判明。頭を鈍器で殴られたような痕のほか、首を絞められたような痕があった。死亡推定時刻は18日午後9時ごろから19日未明にかけてと見られている。凶器は見つかっていない。
遺体の見つかった部屋の押し入れに荒らされた形跡があり、その隣の部屋には書類が散乱していた。笹田さんは18日午後1時ごろから、知人ら約10人を自宅に招いて食事をした後、支持者と酒を飲み、午後6時ごろに支持者らは帰宅。笹田さんはそのまま自宅に残ったという。
18日午後9時ごろ、食事の後片付けに訪れた女性がに居間に1人でいた笹田さんを見たのが最後の姿になった。笹田さんは殺害時パジャマ姿であり、ベッドの上で就寝中に犯人に襲われたとみられている。
笹田さんは、1987年から旧車力村議を5期務めたのちに、2005年の町村合併で市議となっていた。地元住民からは人気が高く、事件を知った多くの支援者たちが悲しんでいたという。笹田さんは1人暮らしで、平日は役員を務める金融会社のある青森県五所川原市内のビルで寝泊まりをしており、自宅に帰るのは週末だけだった。
多くの支援者がいた一方で、役員を務める金融業では取り立てが厳しいという噂も流れていた。事件後に笹田さんが理事長を務めている幼稚園で運営費補助金を不正受給していた問題が浮上し、親族が詐欺容疑で逮捕されている。事件との関連性についてははっきりしていない。
笹田さんが複数の肩書を持っていることなどから、警察による容疑者の絞り込みは困難を極めた。つがる署に設置された捜査本部ではこれまでに延べ9万人を超える捜査員を動員して捜査してきたが、犯人逮捕に結び付く有力な情報はなく現在も事件は未解決である。