未解決事件ファイル
秋田市独居女性放火殺人事件(2002年12月) |
2002年12月24日午前0時50分頃、秋田県秋田市太平八田字荒巻に住む無職・伊藤ミヱさん(当時69歳)の家から出火、木造1部2階建て約160平方メートルを全焼し、焼け跡の1階8畳間から仰向けに倒れた女性の焼死体が見つかった。
遺体は伊藤さんであることが判明。遺体の見つかった8畳間の仏間付近の周辺が激しく燃えていることから、ここが出火場所と見られた。当初は火事であると思われたが、遺体の首の一部に荷造り用のロープが10数センチほど焼き付いて付着しているのが発見されたことから、警察は放火殺人事件と断定した。事件当時、表玄関は施錠されており、外部から侵入の形跡はなかった。室内の布団は畳まれた状態だった。
司法解剖の結果、伊藤さんの死因は窒息死だったことが判明した。胃の内容物から食後2時間で死亡しており、殺されてから焼かれたものとみられる。室内を物色された跡はなく、現金数100万円と1000万円以上入った預金通帳が見つかった。預貯金も引き出されていなかったことから、強盗殺人の可能性は低く、顔見知りによる怒恨の可能性で捜査している。
伊藤さんは6年前に夫を亡くして以降、1人暮らしをしていた。子供はいなかった。出火前日の23日は午前中に夫の7回忌法要を終え、午後2時に自宅近くのお寺前に来た移動販売車に買い物に訪れたのが確認されている。野菜などを買いながら井戸端会議に参加しており、いつもと変わった様子はなかったという。23日午後10時半ごろには、通行人が伊藤さん宅の室内の電気が付いているのを目撃している。
近隣の住民によると、伊藤さんは明るくまじめな性格で近所付き合いも良く、恨みを買うような人ではなかったという。無職だったが造園会社の忙しくなる時期だけ短期で仕事をしており、事件が発生するおよそ1週間前の12月16日まで、毎朝軽トラックを運転して造園の仕事に出かけていた。警察は現在も22人態勢で捜査を続けているが、現在も犯人の特定につながる有力な手がかりは見つかっていない。