未解決事件ファイル
| 宮城県岩沼市高齢女性殺害事件（2012年3月） |
2012年3月30日午前10時30分ごろ、宮城県岩沼市梶橋に住む長田クニ子さん(当時65歳)宅の玄関前に血痕があるのを公共料金の徴収に訪れた男性が見つけ、110番通報した。警察が室内を確認したところ、長田さんは玄関の内側に座り込むような姿勢で靴箱にもたれかかって亡くなっていた。現場の状況から警察は殺人事件と断定、捜査を開始した。
発見当時、玄関には鍵が掛かっていた。玄関以外に争った形跡はなかったことから、殺害現場は玄関とされている。長田さんの死因は出血死。首の正面と右側に刃物で切られたような約5センチ以上の幅のある傷が複数あり、動脈に達している深い傷が致命傷となった。両手の甲にも抵抗した際にできたとみられる傷があった。凶器は鋭利な刃物と見られるが、長田さん宅の台所には刃物が残されていたことから、犯人が持ち込んだものとみられている。
発見時、室内の電気は消えており、遺体は死後1〜2日経過しているものとみられている。長田さんはTシャツにカーディガン、 ジーンズ姿で、右足だけ靴を履いていた。普段持ち歩いているバッグは居間に置かれたままで、奪われた物はなかった。
玄関外側にあるマットから血のついたスニーカーの足跡が複数見つかっており、その足跡は外に続いていて、歩幅が狭いことが分かっている。しかし途中で血痕のついた足跡が途絶えていることから、犯人はそこから車などの乗り物で現場を立ち去った可能性があると思われる。
長田さんは遺体発見2日前の3月28日午後5時半ごろ、1人で軽乗用車を運転して帰宅する姿が近所の住民に目撃されている。その時は特に変わった様子はなかったという。
長田さんは夫を亡くしてから1人暮らしをしていた。以前は仙台市内でスナックを経営しており、夫は同じビルで貸金業を営んでいたという。事件前にはお金に困っていることを周囲に打ち明けており、電気料金や水道料金などの公共料金を滞納していた。携帯電話も解約され、固定電話も使用されていなかった。
長田さんは生ゴミ処理機を販売する団体の集まりに顔を出していたが、前年の8月頃から来なくなったという。殺害の動機がつかめないことから捜査は難航し、現在も事件は未解決である。
＜宮城県警ホームページ＞ 岩沼市梶橋地内における殺人事件の情報提供依頼について
