未解決事件ファイル
水戸市ミス梅むすめ失踪事件(1986年12月) |
1986年12月26日午後3時ごろ、茨城県水戸市笠原町に住む会社員・大畠美智子さん(当時21歳)が行方不明になった。
大畠さんは翌年2月20日から水戸市の偕楽園で開かれる「水戸の梅まつり」でコンパニオンをつとめる「水戸の梅むすめ(現・水戸の梅大使)」に応募。失踪5日前の12月21日、水戸市桜川にある茨城県産業会館で開かれた審査会に参加しており、応募者179人の中から他の9人と一緒に 「梅むすめ」に選ばれていた。
大畠さんは選出されたことを喜んでおり、梅むすめの仕事に専念しようと勤務していたデザイン会社の退社を決意して辞表を提出していた。26日は残務整理で勤務先に立ち寄り、給料15万円を受け取ったという。その後、大畠さんは「知人と会う約束があるので早めに退社させてもらいます」と言って午後3時頃に退社した。
大畠さんは翌年1月に友人と旅行する計画を立てており、その資金をためるためにコンパニオンのバイトもしていた。26日は勤務先を退社後バイト先に訪れる予定になっていたが姿を現さず、そのまま行方が分からなくなった。
数日後に会社から約15キロ離れた、水戸市笠間市にある朝房山(あさぼうやま・標高201メートル)の麓にある全隈町の道路脇の駐車場で大畠さんと同じA型の血液や毛髪がついた毛布が捨てられているのが見つかった。衣服や靴などは見つからなかった。
警察では大畠さん自身に失踪する要素がないことから、事件に巻き込まれたものとみて勤務先やバイト先の関係者などから話を聞くなど捜査していたが手がかりはつかめていない。
当時、大畠さんの失踪について何か知っていると思われたデザイン会社の元上司が疑われ、警察による取り調べを受けたが、証拠不十分により検挙には至らなかった。この上司は当時、大畠さんに執拗に言い寄っていたという。
大畠さんには当時交際していた男性はおらず、両親によると失踪するような兆候は一切見られなかったという。自宅の身の回りの生活用品も残されたままで、失踪後に預貯金が動いた形跡もなかった。失踪前に何度か自家用車がパンクさせられる被害に遭っており、警察に被害届を提出しているが事件との関連性は不明である。
大畠さんは身長157センチ、体重40キロでスマートな体型。髪の毛は肩下約20センチあるロングヘアで、行方不明時はピンクのブレザージャケットに白色のスカート、黒いハイヒールを履いていた。