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岡山県地底湖男子大学生行方不明事件(2008年1月)

2008年1月5日午後6時10分ごろ、岡山県新見市の日咩坂鐘乳穴(ひめさかかなちあな)に入っていた学生グループから、高知大学3年生の名倉祐樹さん(当時21歳)が地底湖で遊泳中に行方不明になったと110番通報があった。

名倉さんが行方不明になった当日、名倉さんを含む高知大学の洞窟探検サークルのメンバーは、活動の一環としてこの鍾乳穴を訪れていた。午前11時30分ごろにメンバーは鍾乳穴に入洞。険しい洞窟の道のりを進み、入洞から約3時間後、1.6km先にある深さ32mの地底湖へ到着した。

一般的に地底湖は洞窟の中に存在し、海との連絡がない水のたまり場のため、流される心配はないとされる。しかし、緊急時の対応に時間がかかるため、入洞届が必要となる場合が多い。実際に鍾乳穴でも入洞届の提出が義務付けられていたが、このサークルは届けを出していなかったという。

地底湖に到着後、名倉さんは調査のために1人で湖に降りていった。名倉さんは命綱をつけずに着衣のままの状態で、他のメンバーと声を掛け合いながら岸壁の調査を進めていたという。しかし、突如名倉さんからの反応が途絶えた。

異変を察知した他の4人は片道3時間の道のりをかけて全員で洞窟を脱出し、警察へ救助要請を出すことにした。午後6時15分、メンバーの1人から通報を受けた地元警察がすぐに救助活動を開始する。救助活動は県警の他にサークルOBも参加し、夜通しの作業となった。

県警は30人体制で連日捜索するも、現場の地底湖まで3時間かかる難所であることと、地底湖が白く濁っており流れが速い事から二次災害の恐れもあり、名倉さんの発見には至らないまま、1月10日に捜索を打ち切った。

名倉さんは事故により行方不明になったものと思われるが、一方で不審な動きもあった。捜索活動が行われている最中に名倉さんのmixiアカウントが何者かにログインされ、ハンドルネームが変更された他に、全ての日記が削除されていた。

mixiは当時日本で流行していたSNSの一つで、コミュニケーションツールとして多くの人が利用していた。mixiにログインするには、登録されたメールアドレスとパスワードを入力するか、情報を記録した本人の携帯電話かPCが必要になるため、名倉さんと近しい人物が操作した可能性が高いと思われた。

さらに、洞窟探検サークルのHPから部員名簿や活動内容が次々と削除された。事前にHPを閲覧していた人によると、探検サークルでは地底湖の対岸の壁面にタッチして戻るという習慣があったことや、洞窟内でケーキを食べたりするなど不適切行為の数々が記されていたという。

後にこれら一連の行いはサークルの部長と副部長が行ったことが分かっている。事件とは直接関係ないものの、炎上を避けるために削除したのか、何か事件と関係のある情報を隠蔽しようとしたのかは分かっていない。また、名倉さんが行方不明になった時に他のメンバーが誰一人残らずに脱出したこと。その際、崖を登るためのワイヤーを撤去していたという不可解な点も残されているが、この一件は事故死として処理されている。



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