未解決事件ファイル
刈谷市身元不明女性死体遺棄事件(2007年4月) |
2007年4月7日午前11時半頃、愛知県刈谷市今川町の境川河川敷左岸の草むらで女性が倒れて死んでいるのを、ごみの不法投棄の見回りに来た男性(当時70歳)が発見した。 男性は地元の安全パトロール隊として活動中、生い茂る雑草の中に頭髪のようなものがあるのに気が付いた。マネキン人形だと思い近づいたところ異臭がしたため、驚いて通報したという。
司法解剖の結果、遺体は30〜40歳代で身長約160センチの女性と判明。死後1〜3か月ほど経過しているとみられる。腐敗が激しく死因は特定できなかった。右の腹部と太ももに傷があることが分かったが、生前についた傷かどうかは分からなかった。粘着テープが口などに貼られていた。テープは布製のもので短く切られており、不自然な形で複数枚貼ってあった。遺体の上は草をかぶせたような跡があった。愛知県警は遺体が故意に捨てられた可能性が高いとみて、死体遺棄容疑で捜査本部を設置した。
女性の血液型はO型で、歯に治療痕はないが、前歯が約1ミリ欠けていた。黒髪で一部を茶色に染め、白いタートルネックのセーターと焦げ茶色の7分丈のズボンにベージュのブーツ姿だった。所持品などはなく、身元を示すものも見つかっていない。 右太ももの傷は幅5センチ。履いていたジーンズは裂けていた。
女性がセーターの下に着けていたのはブラジャーのみで、タグの表示は中国語表記だった。国内で流通する商品のタグは日本語もしくは英語で表記されていることが多いことから、女性が中国人である可能性もあるとみている。
現場は国道1号線新境橋の北約200メートルの堤防下の斜面で、高さ1メートル近いアシなどの雑草が群生し、テレビなどの粗大ごみや生活ごみが散乱している。定期的に県の職員が巡回、ボランティアがごみを拾うなどしている。斜面は道幅約3メートルの堤防道路のガードレールが途切れた場所。警察は犯人が遺体を車で現場まで運び、切れ間から斜面に入って捨てた可能性が高いとみている。
現場一帯では2月27日の午後に、県職員らが不法投棄された大量のソファやテーブルなどの撤去作業を実施したが、その際に異状はなかったといい、遺体はこの日以降に捨てられたとみている。県警は家出人捜索願などと照合して身元の割り出し作業を進めたが現在も女性の身元や犯人につながる有力な情報は得られていない。