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日光市フランス人女性失踪事件(2018年7月)

2018年7月29日午前10時ごろ、フランス人のティフェヌ・ベロンさん(当時36歳)が、観光で訪れていた栃木県日光市のホテルから徒歩で外出したまま、行方が分からなくなった。チェックアウト予定の30日10時を過ぎてもベロンさんが戻ってこないことから、ホテルのマネージャーが11時ごろ警察に110番通報した。

ベロンさんは7月27日に来日、成田で一泊した後翌28日の午後2時ごろに東武日光駅に到着した。ホテルへのチェックインは午後4時頃。失踪当日の朝、同じホテルに宿泊していたフランス人とドイツ人のカップルと訪問予定の場所について話している。グエンさんは中禅寺湖、東照宮など日光で旅行者がみな訪れるルートをまわる計画だったという。

ホテルのマネージャーによると、グエンさんは29日午前10時ごろにホテルを出発した。パスポートとスーツケースは部屋に置いたままだった。また、手書きの観光名所メモも残されていた。メモには30ヶ所以上の観光名所がリストアップされており、営業時間や入場料、ホテルや他の名所からの移動時間なども記載されており、とても詳細に書かれたものだった。

フランスのポワチエ在住のベロンさんはフランスで小学校の教員補助をしている。2013年に初めて来日し東京を観光したことがあり、来日は今回が2度目だった。日光には2泊の滞在予定で、他県も含め8月18日まで約3週間の滞在予定だったという。

ベロンさんは学生時代に発症したてんかんの持病があり、規則正しく薬を飲まなければならない生活を送っている。失踪時、ホテルの部屋に持病についての説明と発症時の対処法を知らせる日本語メモが部屋に残されていた。親族によると、ベロンさんはとても慎重な性格だという。

警察は事故と事件の両面で捜索を開始。日光の社寺周辺の41台のカメラのデータで何千時間もの記録を確認した。近隣住民への聞き取り調査や、宅配業者や郵便局員などの取り調べも行ったが有力な手掛かりは得られなかった。

その後、フランス領事館から連絡を受け来日したベロンさんの家族が警察と協力し、目撃者を求めてパンフレットを配布したところ、電話で80件の情報が寄せられたが、ここでも手掛かりは得られなかった。その他ドローンやヘリコプターによる山中の捜索や、てんかんを発症して川に落ちたことを想定し河川の捜索も行ったが空振りとなった。

事件から4年が経過した2022年11月、ベロンさんの家族が再来日、捜索を行っている。コロナの影響で3年ぶりの来日となった。12月中旬まで日光市で捜索活動を行う予定だという。

ベロンさんの当日の服装は白系のノースリーブに短パン、淡い桃色の布製シューズ。外出時の持ち物はスマートフォン、財布、小さなショルダーバック、青色のポンチョ。

2022年11月、FNNが入手した携帯の位置情報から、不明となったベロンさんの直前の行動が明らかになった。目撃証言から、失踪当日の午前10時ごろ外出したとされているが、新たに入手したベロンさんの携帯の記録によると、およそ1時間半後の午前11時40分までホテルのWi-Fiに接続されていたほか、位置情報からも、ホテルにいた可能性が高いことがわかった。

2023年9月、国連が「日本政府から情報提供がないことは極めて遺憾」だとして再び日本側に捜査を要請したことがわかった。国連の強制失踪委員会は2023年3月、事件に巻き込まれた可能性があるとして、日本政府に犯人特定に向けた捜査と、家族やフランス当局への捜査情報の提供を要請していた。

これに対し日本政府は「事件に巻き込まれた証拠がない」と回答していたが、国連は9月11日、「日本の捜査機関は『100の防犯カメラから得られた823時間分の映像を分析した』としながら、プライバシーやデータの大きさを理由に映像提供を断ってきた」と指摘した。

ベロンさんの家族は、ベロンさんが突然失踪する理由がなく、携帯電話の位置情報が滞在していたホテル周辺から突然途切れたことから、事件に巻き込まれた可能性があると訴えている。

2023年10月12日、ベロンさんの兄・ダミアンさんが捜索活動のため再度来日。「5年は、とても長い時間でした。フランスの捜査機関と日本が協力し、事件として捜査することが重要です」と語った。



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