日本で起こった未解決事件をファイリングしていくサイト
ホーム 未解決事件ファイル(〜2000年) 未解決事件ファイル(2001年〜) 全国指名手配犯 “行方不明事件”

未解決事件ファイル

新宿歌舞伎町ディスコ殺人事件(1982年6月)

1982年6月6日、14歳の女子中学生2名が千葉県千葉市横戸町(現・千葉市花見川区横戸町)で殺傷されるという事件が発生した。2人は東京都港区立高松中学3年・落合雅美さん(当時14歳)と茨城県古河市立中学3年・後藤京子さん(当時14歳)と判明。同日午前11時50分頃に付近を通りかかった人が通報したことで事件が発覚した。落合さんは既に殺害されており、後藤さんは軽症だった。

落合さんと後藤さんは、前日5日の夜から新宿歌舞伎町に出向き、ディスコや喫茶店などをハシゴ。ゲームセンター「ゲーム・イン・キガワ」で若い男に声をかけられ3人で一緒に行動するようになる。2人は男とともに6日の未明に新宿駅東口のマクドナルドでジュースを飲んだ後、新宿3丁目の柳通りに停めてあった男の車で、ドライブに出かけた。

2人が男の車に乗ったのは6日の午前4時30分頃で、都内のゲームセンターなどに立ち寄りながら千葉方面に向かったとされている。その途中、車の中で後藤さんは眠ってしまい、物音がして目が覚めたところで落合さんがいなくなっていることに気づいた。

後藤さんが目を覚ました時車は千葉市横戸町に着いていた。男に「散歩に行かないか」と誘われ車を降りて着いて行ったところ、突然後ろから男に頭を殴られ、首を絞められて意識を失った。

その後、意識を取り戻した後藤さんは花見川サイクリングロードの脇で落合さんが倒れて亡くなっているのを発見したという。男は後藤さんが意識を失っている間に事件現場から逃亡したとみられ、2人を乗せてきた車もなくなっていた。後藤さんは打撲などの軽症を負った。

千葉大学法医学教室による司法解剖の結果、落合さんの死因は首を切られたことによる失血死であったことが判明した。また首を切られた後にアキレス腱も切断されていた。2人が襲われた時間帯は6日の午前8時以前と推定された。

犯行現場は国道16号線から200メートル離れた場所で、小高い山になっているため近隣に民家もなく人通りも少ないことから、事件の目撃情報は少なかった。このような人の寄り付かない場所で犯行に及んだことから、警察は犯人は土地勘のある人物だと考えた。

落合さんと後藤さんは元々茨城県古河市内の中学校に通っていた同級生だった。落合さんは茨城にある母親(当時38歳)の実家に預けられていたが、同居していた祖父が1981年12月に他界したため、母親が暮らす東京都港区白金台3丁目に引っ越すと共に学校も港区立高松中学校に転校したという。

その後、事件が起きる前月の1982年5月に後藤さんが東京の落合さんの家に遊びに来ていたが、5月30日からは2人で落合さんの家を出て、ディスコで知り合った足立区の友人宅に泊まっていた。6月4日には2人が家に帰ってこないことを心配した落合さんの母親が、警察に捜索願を出している。

6月9日、落合さんが遺棄されていた付近から凶器と思われる刃物が発見された。刃物は黒いプラスチックの柄のついた、刃渡り10.2センチメートル程度の果物ナイフと空色のビニールホース1本で、犯人はこのホースを用いて2人の首を絞めたものと思われる。また、果物ナイフからは落合さんと同じ血液型の血液が検出された。

さらに捜査の過程で、落合さんの所持品の中から現金約2万円がなくなっていることがわかり、男は落合さんから金を奪おうとしたところで抵抗にあい、殺人に至ったものと考えられた。落合さんの遺体が遺棄されていた付近には人が押し倒されたような跡もみられた。

男が犯行前からナイフやホースなどの凶器を車に積んでいたことから、警察は強盗を装った快楽殺人の線でも捜査。後藤さんの証言を元に男の似顔絵を制作し、2人が男と知り合った歌舞伎町にも多数の捜査員を派遣した。落合さんは事件前のゴールデンウィークあたりから暴走族と付き合っており、事件現場も暴走族のたまり場になっていたことから、暴走族相手のトラブルという線も調べたが、有力な情報は得られなかった。1997年6月6日、公訴時効が成立。



お問い合わせ

Copyright (C) 2023 未解決事件X All Rights Reserved.

inserted by FC2 system