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未解決事件ファイル

茨城・女子大生殺害事件(2004年1月)

2004年1月31日午前9時ごろ、茨城県美浦村舟子の清明川に、若い女性の死体が浮いているのを、散歩中の近くの男性が発見し、110番通報した。  

江戸崎署の調べによると、女性は10代後半から20歳代。うつぶせの状態で衣服は着けておらず、上半身に外傷があった。付近で女性の服や靴は見つからず、近くのコンクリート製護岸には血痕があった。 現場は、清明川が霞ヶ浦に注ぐ河口付近で、国道125号から約500メートル離れた田園地帯。

茨城県警の調べで、全裸水死体の被害者は茨城県稲敷郡阿見町の茨城大農学部2年原田実里さん(当時21歳)と判明した。原田さんの身体には首と左肩など3カ所に刃物で切られたような傷があり、首の傷が致命傷とみられる。左胸から腹の傷は長さ約20センチに達し、両手、両太ももに打撲痕があった。捜査本部は、原田さんの身元を隠すために、首などを切断しようとしたとの見方を強めている。  

遺体が見つかった川岸の堤防で血痕が付いた黒いジャージのズボンが見つかり、斜面には点々と血痕が残っていた。堤防は高さ約2メートルで、車1台が通れる砂利道がある。街灯はなく、夜間は真っ暗で人通りは少ないという。

原田さんは山口県防府(ほうふ)市に実家があり、大学入学を機に茨城県に転居し、茨城大農学部に通学していた。 また原田さんは大学で、トライアスロンサークルに所属。今年度は、日本学生トライアスロン連合(事務局・東京都渋谷区)の委員も務め、遺体発見前日の30日も、午後から渋谷区の事務局で仕事をし、午後6時ごろ、ほかの委員とJR渋谷駅で別れたという。

原田さんは、30日午後9時ごろから、交際相手の男性(当時21歳)と2人でアパートの自室にいたこともわかった。夕食を取り、酒などを飲んだ後、男性がうたた寝をしているうちに、財布や携帯電話を残したまま外出したらしい。 男性は「午前0時過ぎに、原田さんが出ていく気配を感じた」と話しているという。 原田さんが外出する時うたたねをしていた男性は、その気配を察知したが、あえて声はかけなかった。目覚めて原田さんの書置きを読んだときも、自宅にいったん戻ったと思ったという。だが、31日午後、身元不明の遺体発見のニュースを見て、茨城県警江戸崎署に連絡をしたのだった。

江戸崎署はこの男性に任意同行を求め、数度にわたって事情聴取を行ったが、供述に不審な点はなく、事件とは無関係として無罪放免となった。その後の捜査で、原田さんが親しくしていたもう1人の男性の存在が浮上。三角関係のもつれによる犯行との見方もされたが、この男性にも怪しい点は見られず、捜査は振り出しに戻った。

事件発生から13年後の2017年、「この事件に関与したと話している人物がいる」と情報が入った。その男のDNAと原田さんの遺体に付着していた微物のDNAが一致したため、県警はフィリピン国籍の茨城県土浦市に住むランパノ・ジェリコ・モリ(当時22歳)を逮捕した。

モリの供述により、同じくフィリピン国籍の共犯者2人と共謀して犯行に及んだことが判明した。全員被害者とは面識がなく、強姦目的の犯行だった。共犯者は事件当時18歳と19歳の少年。警察は2人の逮捕状を取り、国際刑事警察機構を通じて国際手配をした。

2人は事件後フィリピンへ帰国。日本とフィリピンとの間には事件捜査の協力を要請できる協定がなく、容疑者の身柄引き渡しに関する条約もないことから、フィリピン政府に引き渡しを求めることができない為に立件の見通しが立たなかった。

しかし2018年末、事件当時18歳であった少年が訪日を希望しているとの情報があり、茨城県警は外務省などを通じて本人の意思を確認。2019年1月23日に捜査員を派遣し、1月24日に成田空港から入国後に逮捕された。事件当時19歳だった少年は現在も国際手配中である。

<茨城県警ホームページ>美浦村舟子地内における女性被害殺人・死体遺棄事件



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