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岐阜県御嵩町長襲撃事件(1996年10月)

1996年10月30日午後6時15分頃、柳川喜郎御嵩町長(当時63歳)が自宅マンションのエレベーター付近で2人組の犯人に襲われ、頭蓋骨骨折の重傷を負った。肺には穴が空いた状態で、午後6時半頃同町内の病院に運ばれ、一時重体となったが一命を取り留めた。その後約1ヵ月間入院した。

事件が発生した御嵩町では産業廃棄物処理場の問題があり、柳川町長は事件の1年半前に廃棄物処理場建設反対を掲げて当選した。事件が発生する直前には町長の自宅から盗聴器が見つかり、2グループ計11名が電気通信事業法違反で逮捕されている。盗聴グループの主犯格らは盗聴の目的を「反対派町長のスキャンダルを探すため」と供述。御嵩町に処分場を計画した産業廃棄物処理業者「寿和工業」から数千万円の現金を受け取っていたことが判明したが、襲撃事件に結びつく証拠は出なかった。

柳川町長は、時効まで残り1年に迫った2010年10月29日、岐阜県警本部長に今後1年間の捜査方針、事件が未解決の理由など19項目に及ぶ質問状を提出した。質問上の中には「産廃問題以外の動機の可能性があるとすれば、どのような可能性か」「なぜ寿和工業への強制捜査は行われなかったのか」などの内容も含まれた。

柳川町長は「産廃にからむ事件だと思うが、犯人にまったく心当たりはない。大事なのは暴力に屈せず、『間違っている』と一人ひとりが勇気を持って闘うこと。周りで沈黙するのは、暴力に加担したのと同じだ。一定期間がたてば、無罪放免になる時効自体の合理性に疑問が残る。殺人未遂も結果として被害者が生きていたというだけで、同じくらい重大な犯罪だ。時効は廃止、もしくは延長するべきだ」と心境を語った。

2010年12月7日、岐阜県警捜査1課の2人が柳川町長宅を訪問。回答書を手渡し「産廃問題関連を含め、あらゆる可能性を視野に捜査している」と答えた。寿和工業への強制捜査を行わなかった理由を「捜査上の必要性などを考慮の上」としている。また産廃問題が事件の背景にあるとの認識を示した。

殺人未遂の時効成立1週間前となった2011年10月23日、柳川町長は「犯人に告ぐ」と題したメッセージを発表し、時効成立後でも事件解決につながる情報に対して用意した懸賞金を提供するとした。岐阜県警はこれまでに延べ15万5000人の捜査員を投入、最大180人態勢で捜査をしたが、犯人が検挙されないまま、2011年10月30日に公訴時効が成立。2011年10月28日に全国的に異例の時効に関する会見に警察が応じ柳川町長に謝罪したが、捜査課題は残ったとしながらも、捜査には問題がなかったとした。




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