西宮市小2女児殺害事件（1991年7月）

1991年7月2日午後7時45分頃､兵庫県西宮市笠屋町に住む建築不動産業経営・岡田省三さんの3女で小学校2年の岡田瑠美さん（当時7歳）が自宅近くで中年の男に拉致され､翌3日8時20分頃、西宮市高須東町の鳴尾浜沖2.3キロ付近にある防波堤近くの海上でうつぶせになって浮いているのを釣り人が発見した｡

司法解剖の結果､瑠美さんは手で首を絞められて殺されており､死因は窒息死と判明した。死亡推定時刻は午後8時頃｡右側頭部に打撲が2か所､左足のすねに傷があった｡

瑠美さんは2日の午後7時まで自宅にいたのを確認されているが､その後1人で出かけたと見られている｡午後7時45分頃､自宅から東に200メートルの位置にある鳴尾新川にかかる橋の三笠橋の付近で､30〜40歳代の男に抱きかかえられるように拉致されたのを､友人宅から帰宅途中の瑠美さんの中学校3年生になる姉（当時15歳）が目撃していた｡

姉は追いかけようとしたが、姿を見失ってしまったという。連れ去った男は、別の男が運転する流線型の黒いスポーツカーの助手席に瑠美さんを押し込み､自らも車に乗り込んで逃走したという｡

自宅から西に100メートルほど進んだ県営団地の植え込み付近では瑠美さんの片方の靴と､10数メートルに渡る血痕が確認された｡植木が倒されたり折れ曲がったりしているところもあったことから、犯人が植え込みに連れ込もうとしていったん車から降ろした際に瑠美さんが逃げようとして､それを無理やり引き戻すなどの行為があったとみている｡

瑠美さんは3姉妹の末っ子。事件当日の午後7時過ぎに中学生の姉が友人宅へ出かけようとしたところ、瑠美さんは姉について行きたがったが、姉は止めたという。瑠美さんはその後1人で家を出たものとみられる。当時家には祖母が在宅していた。

午後7時30分頃には先の県営住宅の植え込みに瑠美さんらしき女児がぐったりして倒れているのを買い物帰りの主婦が目撃している。また8時頃には銭湯帰りの女子中学生が、この県営住宅から約20メートル北にある淡路信用金庫西宮市店付近で、ぐったりとした女児を抱き抱えて走り去る大人を目撃している。

このように多数の目撃情報がありながらも犯人につながる有力な情報が得られないまま、事件から15年後の2006年7月2日、殺人罪の公訴時効が成立した。

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