愛媛県宇和島市吉田湾女性バラバラ殺人事件（2002年7月）

2002年7月11日、愛媛県吉田町（現・宇和島市）の造船所敷地内の海岸で、切断された人間の頭部と右の太ももが見つかった。DNA鑑定の結果、遺体はスナック店員・山本舞さん（当時18歳）と判明した。死後2～3週間が経過、死亡推定時期は2002年6月とみられている｡

山本さんは同年1月18日正午頃､愛媛県西予市宇和町卯之町にある、伊予銀行卯之町支店のATMでお金をおろした後､午後1時30分に銀行内にいるのを目撃されたのを最後に行方がわからなくなっており、捜索届が出されていた。

同年8月17日には山本さんが最初に発見された海岸から西に1kmのみかん畑で、白骨化した右足のひざ下から足首までの部分が発見された｡ 山本さんは2001年8月から宇和島市で1人暮らしをしており､スナックに勤務していた。複数の知人から金を借りていたほか､スナックでの接客でトラブルがあったといい､交友関係を中心に捜査が進められた｡

その後の調べで、山本さんは行方不明になる数日前の1月15日、松山市内の消費者金融に融資を申し込み、翌16日には、宇和島市内の知人男性に「消費者金融に連れていってほしい」と電話で依頼していたことが判明。山本さんは男性の車で近隣の市の消費者金融に行き、金を借りたという。18日午前には最後に目撃された銀行を訪れて口座を開設、松山市内の消費者金融から金を振り込ませ、午後1時半ごろ窓口で現金数万円を引き出したのを知人に目撃されている。

山本さんは同日夕方に別の友人と飲食店で待ち合わせの予定だったが、時間になっても姿を見せず、そのまま足取りが途絶えた。消費者金融に同行した知人男性は「使い道は分からないが、金に困っている様子だった」と話している。山本さんは別の知人にも「金を貸してくれるところを知らないか」と相談していた。

警察は山本さんが客の飲食代金を立て替えさせられるなどしていたことから、金銭トラブルがあった可能性が高いとみて捜査。山本さんに金を貸していて、別の窃盗事件で逮捕・起訴された男（当時34歳）が「遺体の残りを山に埋めた」と、事件への関与をほのめかす供述をした。警察は供述のあった山中を捜索したが、遺体は見つからなかった。

また、山本さんが行方不明になった後の2月上旬ごろ、山本さんの部屋に合鍵を使って侵入し、テレビなどを盗んだとして、別の男（当時50歳）が逮捕・起訴された。男は住居侵入・窃盗は認めたが、殺人は否認している。

山本さんは身長157cmで、行方不明当時は黒いロングコートに黒いストールを身につけ、厚底ブーツを履いていた。手には紙袋を持っていたという。

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