未解決事件ファイル
浜松市東区子安町女性介護士殺人事件(2014年11月) |
2014(平成26年)11月28日午前7時15分ころ、浜松市東区子安町の住宅街にある民家の玄関先で、横向きに倒れている介護士・大橋貞子さん(当時50歳)を静岡県警浜松東署員が発見した。大橋さんの首には傷があり、既に死亡していた。司法解剖の結果、死因は失血死と判明。遺体の喉の周りには刃物で切りつけられた傷が複数あった。傷は気道や頸動脈にも達し、深く刺されていた。静岡県警捜査1課は遺体の状況から殺人事件と断定、捜査本部を設置した。
大橋さんの衣服に乱れはなく、遺体に引きずられたような痕がないことから、大橋さんは遺体の発見現場で殺害されたとみられている。遺体には、抵抗した際につけられる防御創がなかった。また、大橋さんの遺体の側には携帯電話とアルバイトで配っていた情報誌が残されており、財布は少し離れた場所から現金が入った状態で見つかった。
大橋さんは27日午後9時ごろ、情報誌配りのアルバイトに出たまま戻らず、心配した家族が浜松東署に届け出たため、署員が付近を探していた。大橋さんが家を出る際、夫は「夜で危ないから一緒に行くか」と声をかけたが、大橋さんは「いいよ、仕事もあるんだから」と言って出かけたという。27日午後11時半ごろには、現場から数十メートル離れた場所で、大橋さんが乗っていた自転車を家族が発見している。
遺体が発見された住宅の郵便受けには、大橋さんが配っていた情報誌が投函されていた。このため、静岡県警は、大橋さんがこの家への配布を済ませた直後に、玄関先の暗がりで不意打ちで襲われた可能性が高いとみている。現場付近の複数の住民が27日午後10時半ごろに女性の悲鳴のような声を聞いたと話しており、この時間帯に犯行が行われた可能性がある。
遺体が発見された住宅では、70代の女性が1人暮らしをしている。親族の女性(当時73歳)は「いつも夕方には雨戸を閉めてしまうので、物音がしても気がつかないと思う」と話している。住人の女性は27日夜は在宅していたが、異変には気付かなかったという。
大橋さんは夫と高校生の娘との3人暮らし。近隣住民によると、大橋さんには同居していない幼い孫がおり、「かわいいよ」とうれしそうに話していたという。
大橋さんの遺体が発見された現場は、大橋さんの自宅から約400メートル離れた場所。付近の住民によると、午後9時を過ぎるとあたりの人通りはほとんどなくなるという。複数の住民によると、大橋さん宅の近くに白いワンボックス車がよく止まっていたといい、捜査本部が目撃情報がないか調べているが現在も犯人の特定には至っていない。