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警視庁独身寮爆破事件(1990年11月)

1990年(平成2年)11月1日午後10時50分頃、東京都新宿区にある警視庁の独身寮「清和寮」で爆弾が炸裂し、宿直で寮の周囲を巡回していた新宿警察署の巡査長(当時48歳)が死亡した。

また、この爆発音を聞きつけて、寮に住んでいた警察署員や職員(調理人)が現場に駆けつけ、警察官の1人が、すぐ近くに置かれていた別の爆弾に手を触れた際に爆発、顔面を火傷する重傷を負った。この2度目の爆発に巻き込まれ、一般の会社員を含む7名が重軽傷を負った。

この爆弾は魔法瓶を利用したもので、巡査長が魔法瓶を誰かの置き忘れだろうと思い拾い上げた瞬間に爆発したものとみられる。爆弾の破片が心臓部分を直撃し、巡査長は即死状態だった。

その後の捜査で、この時限爆弾は、意図的に異なる時間設定をしていたことが明らかになった。つまり1回目の炸裂で死傷者が出なくても、爆発音で駆けつけた人々に2回目の炸裂で確実に被害を与えるようにしたのである。

清和寮事件から2時間後の11月2日午前0時50分頃、世田谷区にある警視庁の「誠和寮」でも爆弾が発見された。清和寮での爆発を受けて、警視庁はすぐに都内の全ての所轄書に警戒するように連絡をしていたため、炸裂前に爆発物処理班が駆けつけて処理した。寮内の住人は避難していたため負傷者はなかった。

その後、革労協の「革命軍軍報」が各報道機関に郵送された。この「軍報」には、この事件の事実上の犯行声明が書かれていた。また、現場で使用された爆弾に使用されていた部品のうち、起爆させるためのマイクロスイッチやIC基盤の破片が、これまでに革労協がテロなどで使っていた部品だったため、警視庁公安部は革労協によるテロ事件と断定した。

革労協とは革命的労働者協会の略称で、1969年に結成された日本の新左翼の1つである社青同解放派の中心的な過激派政治組織。1981年に「社青同」が分裂し解体状態となって以降は、主に「革労協」を称するようになった。

公安部は革労協に対して延べ16万4000人の捜査員を投入して革労協の非公然アジト8カ所を捜索。当時の革労協の構成員は200名以上いたが、革労協の拠点8か所にガサ入れしてパソコンや膨大な書類を押収した。あらゆる法令を駆使して構成員を大量検挙したが実行犯を特定できず、2005年(平成17年)11月に公訴時効が成立した。



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