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川崎市簡易宿泊所放火殺人事件(2015年5月)

2015年5月17日午前2時過ぎ、川崎市川崎区日進町にある木造3階建ての簡易宿泊所「吉田屋(1961年利用開始)」の1階玄関から出火、隣接する同じく簡易宿泊所の「よしの(1962年利用開始)」に燃え移り、2棟合わせて約1000平方メートルが全焼した。近隣のマンション住民が午前2時10分に119番通報。6分後には建物全体に火の手が広がっていたという。

火は17時間後に鎮火したが、この火災により11名が死亡、17人が重軽傷を負った。居住していた74名のうち70名が生活保護を利用しており、死亡した人の多くは高齢者であった。川崎市としてこれほどまでの人的被害が出た火災は、昭和41年1月に川崎区で発生した「金井ビル」 での火災以来、49年ぶりのことである。

消防庁消防研究センターによる火災原因調査の結果、深夜に何者かが吉田屋の1階ホール付近にガソリンをまき放火したものと判明した。宿泊客が火災に気付いた時点で既に建物内の大部分が延焼している状態であり、通常考えられない延焼速度であった。

吉田屋は木造2階建てで建築申請されたにもかかわらず、耐火構造にせず3階建てに増築されていた。建築基準法違反だが、行政側は事態を把握しながら野放しにしていた。2~3階部分が吹き抜け構造になっていたことで、火の回りが早くなる「煙突効果」が起きたとみられる。

日雇い労働者が多く住むドヤ街となっている同エリアには、50軒以上の宿泊所がひしめく。市消防局が16棟を検査したうちの9棟が、吉田屋と同じような違法建築だった。部屋数を多くするために勝手に増改築している宿泊所がほとんどだったという。

その後、現場付近で不審な男の目撃情報が寄せられた。吉田屋の前で、酒に酔った血まみれの男を目撃した人がいた。別の簡易宿泊所の管理人によると、男は吉田屋の中にいた人とケンカしたようで、前にもいざこざがあったという。

吉田屋はJR川崎駅から徒歩約15分。昭和36年に営業を開始した。1泊2300円で、部屋の広さは3畳ほどだという。宿泊客の9割近くが生活保護を受給しているほか、土木作業員も宿泊。60代の男性が多く、長期の滞在者がほとんどで、中には20年ほど滞在している宿泊客もいたという。玄関は施錠されておらず、出入りは自由だったという。




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