未解決事件ファイル
| 荒川区東日暮里会社員刺殺事件(2011年11月） |
2011年（平成23年）11月28日午後10時25分ごろ、東京都荒川区東日暮里3丁目28番先の路上で男性が背中から血を流しているのを通りかかったタクシー運転手が発見し、110番通報した。男性はタクシーを呼び止め、「病院に連れて行ってほしい」と話し、運転手が「どうしたんですか」と尋ねると「刺された」と言いそのまま倒れたという。
その後の警察の調べで、男性は近くに住む太田康治さん（当時24歳）であることが判明した。太田さんの傷は心臓近くに達しており、病院に搬送された時には既に心肺停止の状態で、そのまま亡くなった。手などで身を守る際にできる防御創はなく、背中をいきなり刃物で刺されたとみられている。現場は太田さんの自宅までわずか15メートルのところだった。
太田さんは事件当日の午後9時35分ごろ、勤務先から自宅の最寄り駅であるJR日暮里駅に到着したことが駅の防犯ビデオの記録から分かっている。その後、徒歩で1キロほど離れた自宅に向かったが、自宅近くの角を曲がらず、そのまま直進し、コンビニに立ち寄っていることがコンビニの防犯カメラから確認されている。買い物を終え午後10時20分ごろに店を出て、自宅方向に向かった。
太田さんの自宅の目の前にはコンビニの袋が落ちており、コンビニで買ったポテトチップスが散乱していた。太田さんと犯人がここでもみ合ったものとみられる。自宅前から15メートルほどのT字路付近には大量の血痕が残されており、ここが犯行現場となったとみられる。太田さんはここから大通りまで自力で逃げ、通りかかったタクシーに助けを求めたと思われる。
太田さんの自宅の1本裏の路地にある防犯カメラには、犯行時刻付近に不審な男の映像が残されていた。男が商店の角を曲がった様子が映っており、その先に太田さんが襲われた現場がある。警察はこの映像の男が、犯人の可能性が高いとみている。男はJR鶯谷駅がある南の方角に逃走。現場から南におよそ400メートル離れた地点でも男の映像が確認されている。男は黒っぽいジャンパーに白っぽいズボンを着用していた。
犯行時刻ごろには、近所の住人が現場付近で男性同士の口論する声を聞いており、特にとても怒った様子の中年男性の声が聞こえていたという。凶器は発見されておらず、太田さんの携帯電話や財布には手を付けられていなかった。太田さんは明るく社交的な性格。温厚で、人柄もいい好青年だったという。周辺にトラブルなどは見当たらなかった。警察は男の身元の特定に全力を挙げているが、現在も犯人逮捕につながる有力な情報は寄せられていない。
＜警視庁ホームページ＞東日暮里三丁目先路上刃物使用殺人事件
