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    打越町たばこ店親子殺人事件(1999年2月)

    1999年2月1日午後8時ごろ、東京都八王子市打越町にある、たばこ店「安井商店」の6畳和室で店主の安井喜代さん(当時78歳)と長男で会社員の智嘉さん(当時54歳)の2人が血まみれになって死んでいるのを訪ねてきた近所の人が見つけた。喜代さんは堀ごたつの中に足を入れた状態、智嘉さんはこたつに頭を突っ込んだ状態で見つかった。

    司法解剖の結果、死亡推定時刻は1月31日午後7時から10時の間で、胃の内容物から殺害時刻は夕食後1時間と見られた。死因は首を刺されたことによる失血死。智嘉さんの上に喜代さんが折り重なるようにして倒れていたことから、智嘉さんが先に襲われ、その後喜代さんが襲われたと見られている。血の飛び散った範囲は狭く、激しく争う間もなく、短時間で殺害されたと見られている。  

    発見者によると、発見当時、道路側に面した店の表の入り口は閉まったままになっていたが、勝手口が10センチほど開いており、中からテレビの音も聞こえたので「おばあさん」と声をかけながら入っていったという。古くからの顔見知りであった常連客は、営業時間外には勝手口に行ってたばこを買うことがあったという。

    こたつのテーブルの上にはビールの空き缶や手がつけられていない惣菜などが置かれており、こたつの横には晩酌に使ったと思われるおちょこ2つがお盆の上に置かれていた。また、テーブルの上にはファスナーが開いた状態の血の付いたセカンドバッグがあり、周囲に小銭が散乱していた。このバックは底が2重になっている構造で、底に隠れていた21万円は手つかずのままだった。耐火金庫の入っていた押し入れのふすまも開けられていたがやはり手つかずで、金庫の中には現金や権利書などが残っていた。  

    安井さんは近所に貸し家を4軒もち、家賃収入があった。現金で受け取っていたため、そのお金は銀行には預けずに新聞の折り込み広告でくるんでタンスに保管していたという。事件当時、こたつ付近には折り込み広告が散乱しており、現金を盗んだ形跡があったが、一部しか奪っておらず、多くの現金は残されていた。室内に残った現金の総額は900万円ほどで犯人は多くても数10万しか奪っていないと見られている。なお、犯人は土足ではなく靴を脱いで上がっていることが判明している。

    安井さん宅は通りに面しており、店のある母屋には喜代さんが住み、数年前に裏手に新築した離れに智嘉さんが住んでいた。智嘉さんは会社勤めをしていたが、店番を手伝うこともあった。喜代さんの夫は10年ほど前に亡くなり、智嘉さんの3人の弟たちはそれぞれ独立している。

    店は車の往来が激しい街道沿いにある。現場周辺では区画整理事業が行われていたため、多くの工事関係者が出入りし、暴走族のたまり場にもなっており、住民とのトラブルもあったが、安井さん親子とのトラブルはなかったとされている。

    <警視庁ホームページ>打越町たばこ店母・息子殺人事件

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