日本で起こった未解決事件をファイリングしていくサイト
ホーム 未解決事件ファイル(〜2000年) 未解決事件ファイル(2001年〜) 全国指名手配犯 “行方不明事件”

未解決事件ファイル

金沢市久安独身男性殺人事件(2008年6月)

2008年6月27日夜、金沢市久安2丁目のアパート 「クレアールMIKAMI」の2階で、1人暮らしの男性が頭を殴られて殺害された。男性はこのアパートに住む会社員の橋本清勝さん(当時22歳)。橋本さんと交際している女性が橋本さんと数日間連絡が取れないことを心配して29日にアパートを訪れたことで事件が発覚した。この女性は合鍵を渡されていて、それを使って部屋に入ったという。

橋本さんの死因は脳挫傷。部屋にあったフライパンで後頭部を何度も殴られており、フライパンの取っ手部分からは手袋をして握った跡が検出された。推定犯行時刻は6月27日午後8~9時の間とみられる。

橋本さんは玄関を入ってすぐの台所に倒れていたが、その奥にあるリビング兼寝室の床にも血痕があった。後頭部以外の箇所にも犯人と争ってできたような傷があったことから、犯人は室内を逃げ回る被害者を追い回して何度も殴ったとされている。血痕は大量で、台所の壁や天井にまでついていたとされる。つまり犯人も返り血を浴びた可能性が高いが、部屋の外で血痕は検出されていない。

橋本さんは2006年12月から殺害現場となったアパートに入居していた。美容師を志して金沢市内の専門学校を卒業し、2007年4月まで金沢市の美容室で働いていた。美容室を退職後、2007年10月から川北町の印刷工場に勤めていた。工場での勤務態度はまじめで、最初は派遣社員だったところ、2008年4月からは契約社員となり、正社員登用を目指していたという。事件当日、橋本さんは20時まで通常どおりに工場で勤務していたことが確認されている。

橋本さんはおよそ週に1回のペースで加賀市にある実家に帰っており、事件前日の26日も両親と食事をした。母親が「28日に帰ってこられないか」と聞いたところ、橋本さんは「仕事があるから」と答えたという。

犯行当時部屋の玄関は施錠されていて、鍵は玄関付近に落ちていた。これについて、犯人がこの鍵を持って部屋を出て施錠し、その後で玄関の郵便受けから部屋の中に鍵を投入することで密室に見せかけたと考えられている。加えて部屋の電気が消されていた。これは事件発覚を遅らせる目的があったと思われる。

アパートの部屋に2箇所ある窓のうち1箇所は開いていて網戸の状態だったという。また、アパートへ出入りする人が多く、橋本さんの部屋からは男女数十人分の毛髪や指紋が採取された。室内に土足の形跡は無く、犯人は靴を脱いで部屋にあがったとみられている。また現金が手つかずで残っており物色された形跡もないことから、強盗目的ではなく恨みによる犯行と思われる。

その後の調べで、橋本さんが「ネットワークビジネス」と呼ばれる連鎖販売取引に参加していたことが分かった。捜査本部は顔見知りの犯行との見方を強めており、犯人が直前に橋本さんと連絡を取っていた可能性もあるとみて、このビジネスをめぐるトラブルの有無も含め橋本さんの幅広い交友関係を調べている。

石川県警は2022年6月21日、何らかの事情を知っている可能性がある若い男性の似顔絵を公開した。県警が犯行時間帯と絞り込んだ6月27日午後8時半ごろ、現場近くで目撃されていた男性2名のうちの1人。

県警捜査1課によると、男性は当時20代くらいで、身長は170センチから175センチほどでやせ型。黒系に白のラインが入ったニット帽をかぶり、黒系のTシャツ、紺色系のジーンズ姿だった。また、駐車場にいたもう1人の男性は20代くらいで黒っぽい服装ということが分かっている。

似顔絵の男性はアパート方面から歩いてきて駐車場にいたもう1人の男性に近づき合流し、2人で西側の方向へ歩いて行ったという。アパートから出てきたかどうかは不明。

また、この2人に関しては複数の目撃情報が寄せられている。2人は知り合いとみられるが、アパートの住人や1階にあった飲食店の客ではないという。

発生から14年後の似顔絵公開について、県警は「どうしても事情聴取したい人物だが犯人でない可能性もある。熟慮を重ねた結果だ」と説明した。

【石川県警ホームページ】「金沢市久安独身男性殺人事件」情報提供のお願い



お問い合わせ

Copyright (C) 2023 未解決事件X All Rights Reserved.

inserted by FC2 system