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未解決事件ファイル

栃木・女児誘拐殺人死体遺棄事件(2005年12月)

2005年12月1日午後2時50分ごろ、栃木県今市市木和田島(現・日光市)で近くに住む小学1年の吉田有希ちゃん(当時7歳)が行方不明になった。翌2日午後2時ごろ、不明になった現場から東に60キロ離れた茨城県常陸大宮市の火葬場近くの雑木林のなかで遺体となって発見された。遺体は林道脇の斜面を約10メートルほど下った場所に体の左側を下にし、顔を林道側に向けるような状態で置かれていた。  

有希ちゃんは同級生3人と下校。途中にある三叉路で別れて1人になってから行方がわからなくなっている。現場の状況から、車で連れ去られたと見られている。遺体は全裸で、胸付近を中心にメッタ刺しにされており、心臓を刺した傷もあった。生きているときに心臓を刺されたためなのか体内の血液がほとんどのこっておらず、死因は失血死だった。傷口から幅2センチ以内の鋭利な刃物で刺されたとみられる。また遺体の髪には粘着テープの一部が残っていたほか、犯人のものと思われるDNA型も検出されている。(後に捜査関わった警察官のものと判明)  

遺体の胃の内容物や死後硬直の状況から、連れ去り後から比較的短時間で殺害されたとみられている。遺体には足の裏に泥がついていなかったことから室内か車内で殺害されたと見られている。有希ちゃんの着ていた衣服のほか赤いランドセルやミッキーマウスのキーホルダーの付いた防犯ベルなどの所持品が一切見つかっていない。連れ去った現場を目撃した人もなく、犯人側からの接触もいっさいない。所持品も見つからず、捜査は難航している。  

発生後2年経って、捜査本部は現場付近で目撃された2台の不審車のイラストを公開した。一つは泥で汚れた白いセダンで、もう一台は車内にぬいぐるみを飾っていた白いワゴン車。有希ちゃんが連れ去られた12月1日午後2時半から午後3時ごろの間、通学路で複数の人に目撃されていた。  白いセダンは男が運転していたといい、車の後部が一部へこんでいたという。この車は有希ちゃんと歩いていた同級生が目撃。車はいったん同級生のそばを通過した後に引き返し、走り去ったという。同じ時間帯に、有希ちゃんと同級生が最後に別れた三差路の先でも、別の人にこの車は目撃されている。  

白いワゴン車のほうは三差路近くに止まり、車のそばに男が立っていたという。事件当日以前にも付近で目撃されたことがあり、後部両側の車内のカーテンレールに、ぬいぐるみが複数ぶら下げられていたという。遺体発見現場の山林付近でも、「宇都宮」ナンバーのセダンタイプの不審車情報があるという。このセダンは所有者が特定されていない。12月1日午後11時40分から50分ごろにかけて、遺棄現場から数キロ離れた県道を低速で走行し、遺棄現場につながる脇道の入り口を約100メートル通過した地点で急ブレーキをかけ、右脇の駐車場に入り、向きを変えて止まったという。この車の後ろを走っていた車のドライバーが目撃していた。

事件当初の捜査人員は300人にものぼり、犯人検挙につながりそうな証言や物証も多くあげられた。
・事件の半月ほど前、有希ちゃんが近所のスーパーで「目のきれいなお兄ちゃんと待ち合わせをしているが、現れないので困っている」と言っているのを聞いた女性がいる。
・インターネットの「2ちゃんねる」で犯罪者予備軍ロリコンを名乗る人物から小学生の女の子を連れ去ることを計画しているといった内容の書き込みがあった。
・遺体に犯人の唾液や皮膚の一部などが残されており、DNA鑑定にまわされた。
・犯人のものと思われる足跡が現場に残されていた。
・有希ちゃんの住む町で、幼女に話しかける不審な男の目撃情報が挙げられた。

しかし、これらの物証も犯人検挙の特定にはつながっていない。

2010年8月1日より、公的懸賞金制度の期限が1年間延長された。
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(2014.4.19更新)
目撃情報が少なく捜査は難航していたが、2014年、偽ブランド品を所持していたとして逮捕・起訴された栃木県鹿沼市の32歳の男が、同年2月中旬頃から「有希ちゃんをナイフで刺して殺害し、遺体を遺棄した」と事件への関与をほのめかす供述をしていることが分かった。一方で、具体的なことを聞かれると「よく覚えていません」と話すなど、供述は曖昧で、物的証拠もないことから、警察は、慎重に裏付け捜査を進めている。

男は事件当時、有希ちゃんが連れ去られた現場付近に住んでいて、遺体が捨てられていた常陸大宮方面への土地勘があるという。また、事件当日、男の乗る車が今市市から茨城県の方向へ走行していることが確認されているという。男を知る人の話によれば、「母親が『(息子は仕事で)茨城に行ってて、月に1回か2回しかこない』という話だった」という。
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(2014.6.4更新)
2014年6月3日、栃木、茨城両県警の合同捜査本部は栃木県鹿沼市の無職勝又拓哉容疑者(32歳)を殺人容疑で逮捕した。事件当日、連れ去り現場から茨城県内の遺体発見現場までのルートを、不審車の目撃情報と一致する勝又容疑者の車が走行していたことが、最近になって防犯カメラの画像解析で確認された。双方の現場に土地鑑があり、容疑も認めたことから、逮捕に踏み切った。

栃木県警などによると、勝又容疑者は同年1月29日、偽ブランド品を所持していたとして商標法違反の疑いで母親(55歳)と逮捕された。同法違反で起訴され、公判中。勝又容疑者は、殺害事件の5年ほど前まで有希ちゃんの自宅近くに住んでいた。遺体発見現場の茨城県常陸大宮市にも土地鑑があり、関与を調べていた。

勝又容疑者は防犯カメラのある地点を通ったことを認め、「殺したことは間違いない。有希ちゃんにごめんなさいという気持ちです」「 有希ちゃんが夢に出てくるから自供したい」と供述し、素直に取り調べに応じているという。有希ちゃんと面識はなかったといい、さらったことや遺体遺棄も認めている。また、犯行の動機について、「いたずらしようとした。わいせつ目的だった」などと供述していると いう。

さらに、「(有希ちゃんを)車に乗せて連れ去った後、(当時住んでいた栃木県鹿沼市の)自宅に連れ帰ったが、騒がれたので遺棄現場まで行く途中の山中で刃物で刺した。刃物やランドセルなどの所持品は処分した」とも供述。しかし、凶器の刃物や有希ちゃんの遺留品 は見つかっておらず、勝又容疑者は具体的な場所については供述していないという。

また、勝又容疑者の自宅から押収したパソコンを解析し、消されていた画像を復元したところ、女の子のわいせつな動画などが大量に残されており、有希ちゃんに似た少女の遺体のような画像が見つかったという。画像には女の子の上半身が映っていたが鮮明ではないため 、警察は有希ちゃんの遺体の画像か鑑定を進めている。



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